実は馬鹿にしてる

懐かし昭和風を再現してみました。というものをよく見かける。料理でも写真でも部屋でもなんでも。

でもそこには「わざと貧相にする」という計算がもろに出ているものがほとんど。弁当でいえばメザシを2、3本ぱらりと並べてみたり、漬け物とごま塩だけだったり。

写真でいえば、異様な保存環境でしかできないような黄ばみや腐食をCGで着けてみたり。

部屋の明かりを裸電球に交換したくらいで懐かしいとかね。全部うそでしょう。あとから何かで見たものばかり。昭和好きとか言うけど、昭和の長さを自分の幅に都合良くしているだけでしょうに。

何かを模倣するときに「そのものが発生した時は、真摯に考えられたものである」という尊重が無いのだよな。心の奥では馬鹿にしているフシがある。

でもね。その時代に戻って、今の懐かし再現のあれこれを当時の人に見せたら「何その、貧乏くさいの。」と言われて終わりだと思う。綿々を続いたものではなく、上っ面だけのまがい物だから。馬鹿にされるのがオチだろうなぁ。

dpc

札幌在住のグラフィックデザイナー、solid bond 白山勇一です。デザインに関わるあれこれ、食べ物などを、時々の感想を添えて記録します。

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